血管年齢検査メニュー
血管年齢検査とは
血管年齢検査は、血管の弾力性や硬さを測定し、実際の年齢と比較して血管の若さ(動脈硬化の進行度)を数値化する検査です。
加齢や生活習慣(食生活・運動・喫煙・ストレスなど)の影響によって血管は少しずつ硬くなります。
この検査では、血管の“しなやかさ”を測定することで、将来の動脈硬化リスクや生活習慣病の予防に役立てることができます。
検査でわかること
・血管の硬さ(弾力性・動脈硬化の程度)
・推定血管年齢(実年齢との比較)
・左右の血流バランス(血流異常の有無)
検査の方法
両腕と両足首に血圧計のようなカフと心音計を装着し、血圧、脈波(血流の速さ)を測定します。
痛みはなく、数分で終了しますので、気軽にお受けいただけます。
・検査時間:約10分
・クリニック滞在時間:約30分(問診票記入・ご説明含む)
こんな方におすすめ
- ストレスが多い
- 喫煙している
- アルコールを週に3日以上飲む
- 高血圧・高血糖がある
- 中性脂肪値またはLDL(悪玉)コレステロール値が高い
- 尿酸値が高い
- 運動不足を感じている
- 足に痛みやしびれがある*
- 40歳以上の方
あてはまる項目がひとつでもある方は、血管年齢検査を受けてみることをおすすめします。
※足の痛みについて
少し長い距離を歩くとふくらはぎが痛くなり、しばらく休むと痛みが消える場合、下肢(足)の動脈硬化症の可能性があります。
下肢動脈硬化症の方の約7割は、脳や心臓の血管にも動脈硬化が生じているといわれています。
血管年齢検査により、こうしたリスクを早期に確認することができます。
検査をお受けいただけない場合
以下に該当する方は、血管年齢検査によって症状が悪化するおそれがあるため、検査をお受けいただけません。
安全のため、事前に医師へご相談ください。
- 透析治療を受けている方
- 閉塞性動脈硬化症の診断を受けている方
- 末梢神経障害がある方
- 四肢(腕や脚)にリンパ浮腫がある方
上記以外にも、ご病気の状態や治療内容によっては検査を控えた方がよい場合があります。
ご不明な点がございましたら、スタッフまたは医師までお気軽にお尋ねください。
検査項目
検査(1)「CAVI」キャビィ検査(心臓・足首血管指数検査)
動脈の硬さを測定する検査です。心臓から腕と足首の血管に到達する脈波のスピードを測定し、血管のふくらみ具合やしなやかさを見ます。動脈硬化が進んでいるほど「CAVI」の値は高くなり、9.0を超えると約半数が脳動脈か心臓の動脈である冠動脈に動脈硬化を発症していると言われています。
CAVI基準値
CAVI < 8.0 : 正常範囲
8.0 < CAVI < 9.0 : 境界値
9.0 < CAVI : 動脈硬化の疑い
検査(2)「ABI」エービーアイ検査(足首・上腕血圧比検査)
足の動脈の詰まりを測定します。健康な人では、足首の血圧は腕の血圧と同じか少し高い値です。動脈が詰まっていると、腕に比べ足首の血圧は低くなるので、「腕の血圧」と「足首の血圧」の比から足の動脈の詰まりを診断します。0.9未満であると詰まっている可能性が高く、その値が低いほど重症になります。また、詰まりは、「足の痛み」としてあらわれることが多く、足の動脈硬化が起きている方の7割は、脳や心臓でも動脈硬化が起きていると言われています。
当クリニックでは、「CAVI検査」と「ABI検査」を組み合わせ、より正確な「血管年齢」を導き出しています。
検査の流れ
予約
1
当院は予約制となっております。
お電話(092-753-6753)、もしくはホームページ内の「診療予約受付」よりご予約ください。
※当日・翌日のご予約はお電話のみで受付
※土日祝日も診療
メールでのご相談も可能です。ご希望日時、ご希望の検査内容、お悩みや不安に感じていることなど、お気軽にお問い合わせください。受付
2
受付でお名前と以下のものをご提出またはご提示ください。
<お持ちいただくもの>
・保険証または身分証明書
・お薬手帳(お薬を服用されている方のみ)問診票をお渡しいたしますので、ご記入後、受付にご提出ください。
記入方法やご不明な点がございましたら、お気軽にスタッフへお声かけください。検査
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検査はベッドに横になった状態で行います。
両腕と両足首に血圧計のようなカフと心音計を装着し、血圧と脈波(血流の速さ)を測定します。
緊張すると、血圧や脈波の値が平常時より高く出ることがあります。
痛みはなく、数分で終了しますので、正確な結果が得られるよう、できるだけリラックスした状態で検査をお受けください。検査結果
4
看護師により検査結果をご説明させていただきます。
なお別途3,300円(税込)にて、医師の診察もお受けいただけますので、ご希望の場合は、事前にお知らせくださいませ。
料金
血管年齢検査は基本的に自由診療(保険適用外)となります。
| 検査名 | 検査料 |
|---|---|
| 血管年齢検査 | ¥2,200 |
別途3,300円(税込)にて、医師の診察もお受けいただけますので、ご希望の場合は、事前にお知らせください。
関連検査
血管年齢検査と合わせて検査が可能なメニューです。組み合わせることで定期的な健康診断が可能です。
| 検査名 | 単価 | 検査料 | 当日治療 |
|---|---|---|---|
| 下肢静脈エコー簡易検査 | ¥3,300 | ¥3,300 | 可能 |
| 下肢静脈エコー検査 | ¥6,050 | ¥6,050 | 可能 |
| 心電図検査 | ¥2,750 | ¥2,750 | 可能 |
| 血液検査 | ¥6,050 | ¥6,050 | 可能 |
| AIRSアミノインデックス検査 | ¥26,400 | ¥26,400 | 予約制 |
よくある質問
- Q検査時には痛みはありますか?
- 痛みはありません。
血圧測定や脈波(血流の速さ)の測定が中心の検査ですので、安心してお受けいただけます。 - Q検査時の服装は何でも大丈夫ですか?
- 上腕と足首に、血圧測定器のようなカフ(測定計)を装着して検査を行います。
そのため、上腕と足首が出しやすい服装でお越しいただくと、お着替えをせずにそのまま検査をお受けいただけます。
なお、ストッキングは脱いでいただきますので、あらかじめご了承ください。 - Q検査結果はすぐ分かりますか?
- はい、測定後すぐに結果をご確認いただけます。
検査終了後、測定データをもとに看護師が結果の説明を行います。
ご不明な点や生活習慣に関するご相談も、その場でお気軽にお尋ねください。 - Q検査はどのくらいの時間がかかりますか?
- お着替えなどの準備も含めて、測定は約10分ほどで終了します。
受付から検査、結果のご説明までを含めると、全体の所要時間はおよそ30分程度です。 - Qドクターから検査結果についての説明は聞けますか?
- 通常は看護師が結果をお伝えしますが、ご希望がある場合や、検査結果に明らかな異常が見られる場合には、医師より直接ご説明させていただくこともあります。
- Q検査は定期的に行った方が良いのでしょうか?
- ご自身の健康状態を確認する目的であれば、年に一度程度の検査をおすすめします。
また、血圧が高めの方や、血管の老化に不安がある方は、半年に一度程度の検査を行うと、変化をより正確に把握することができます。 - Q検査をするにあたって、何か制限はありますか?
- 特に制限はありません。
お食事やお薬の制限もなく、普段どおりの状態で検査をお受けいただけます。 - Q血管年齢は低いほど健康ということですか?
- はい。一般的に血管年齢が低いほど、血管がしなやかで健康な状態を示します。
血管年齢が低い方は、動脈硬化の進行が少なく、病気のリスクも低い傾向があります。
反対に、血管年齢が高い場合は、血管の硬化(動脈硬化)が進んでいる可能性があります。 - Q血管年齢が低い・高いとはどういうことですか?
- 血管年齢が低い状態とは、血管の内壁が柔らかく弾力性があり、血液がスムーズに流れている健康的な状態を指します。
酸素や栄養が体の隅々まで行き渡り、不要な老廃物もきちんと排出されている状態です。
一方で、血管年齢が高い状態は、血管の内壁が硬く厚くなり、血流が滞りやすくなっている状態です。
その結果、栄養や酸素が十分に届きにくくなり、老廃物の排出もスムーズに行われにくくなります。 - Q血管年齢が高いとどうなりますか?
- 血管年齢が実年齢より高い場合、血管の弾力が低下して血流が悪くなり、全身の臓器や組織に十分な酸素や栄養が届きにくくなります。
その結果、内臓や免疫系の働きが低下したり、新陳代謝が悪くなることで、生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症など)や動脈硬化性疾患が発症しやすくなると考えられています。 - Q血管年齢検査で病気はわかりますか?
- いいえ、血管年齢検査で特定の病気を診断することはできません。
この検査は、血管の硬さ(動脈硬化の進行度)を測定し、生活習慣病などのリスクを確認するための検査です。
つまり、病気の有無を調べるものではなく、今後の健康維持や生活習慣の見直しに役立つ指標となります。 - Q検査後に休める場所はありますか?
- はい、ございます。
検査によってふらつきや気分の悪さを感じた場合は、お休みいただけるスペースをご用意しております。 体調がすぐれないときは、遠慮なくスタッフへお声かけください。
動脈硬化のリスク
動脈硬化の別名は、「サイレント・キラー(静かな殺人者)」。症状がないまま病状が進行し、気づくころには重症化しているためにそう呼ばれます。
日本人の死因第1位はガンですが、第2位の心疾患と、第4位の脳血管疾患を合わせると、約4人にひとりが「動脈硬化」による疾患で亡くなっています。
動脈は、心臓から送り出された血液を身体中の毛細血管まで運んでいる重要な血管。まさに命綱の血管です。その動脈の壁が、年齢とともに硬く厚くなり、血管の中にコブができて狭くなる病気が「動脈硬化」。
一番多い動脈硬化は「アテローム硬化」です。血管の内側の壁が、高血圧や高血糖やストレスなどによって傷つき、そこにLDLコレステロールや中性脂肪の酸化した油がたくさん溜まってコブ状に隆起します。それが血管の壁を厚くし、狭くしてしまいます。それを治そうと免疫細胞が集まるのですが、油の処理をしながら泡沫細胞に変わって、さらにコブを作ってしまうのです。最初のうちコブは柔らかく、ちょっとしたきっかけで崩れます。崩れたところには、血小板が集まって血液の流れを止めたり、血小板の一部が血栓となって流されていき、血管が狭くなっているどこかを詰まらせることもあります。脳に行く動脈が詰まれば、脳梗塞。心臓に行く血管が詰まれば、心筋梗塞につながります。また、血管が狭くなると、必要な酸素や栄養が充分運ばれず、心臓をはじめ各臓器に負担がかかり、組織が壊死することもあります。
動脈が硬くなってくるのは40代からで、50代を越えると、約7割の人に動脈硬化が見られると言われています。まだまだ若い女優さんやタレントが血管を詰まらせて脳梗塞や心筋梗塞になった話もよく聞くようになりました。40歳を過ぎたら、「血管年齢検査」。ご家族で受けることをおすすめします。
動脈硬化によってリスクが高まり「血管事故」や「突然死」を招くことも
血管の老化が進むと動脈硬化になりやすく、動脈硬化は怖い病気を引き起こします。
リスクが高まる機序は以下の通りです。
- 血管の老化と脂質やカロリーの多い食生活、喫煙習慣、運動不足、ストレスの増大などが重なる
- 高血圧、糖尿病、脂質代謝異常(LDLコレステロールや中性脂肪が多い状態)、内臓脂肪型肥満などや、生活習慣病の発病を引き起こす
- 動脈硬化の静かな進行。血管が硬くもろくなり、狭くなっていく
- 心疾患、脳血管疾患などの「血管事故」「突然死」へ
動脈硬化による疾患
心筋梗塞
心臓の筋肉、心筋に酸素を供給している冠動脈の動脈硬化により、冠動脈が閉塞し、心筋が壊死して起こる。
狭心症
動脈硬化で、冠動脈へ送られてくる血液が不足して起こる。症状は、胸痛や胸部圧迫感など。
脳梗塞、脳血栓
脳の血管が動脈硬化によって細くなり、血液の流れが悪くなり、血液の固まり=血栓を形成して血管が詰まってしまうこと。
脳塞栓
心臓内や頚動脈などにできた血栓が、血液の流れに乗って脳へ行き、脳の血管を閉塞させてしまうこと。心臓内にできた血栓は大きくなることが多く、それが脳の血管を詰まらせるため、死に至ることもある。
脳内出血
脳の細い血管が、高血圧あるいは動脈硬化によって切れ、脳組織の中に出血すること。出血した血液が固まって、脳細胞を破壊したり、周囲を圧迫し、その部分の脳の働きを阻害する。
くも膜下出血
脳は、外側から硬膜、くも膜、軟膜の3枚の膜でおおわれている。その薄いくも膜の下にある大きな動脈にできたコブ(脳動脈瘤)が破れて起こる。
頸動脈狭窄症
脳に血液を運ぶ頸動脈の血管が狭くなる病気。詰まった状態が頸動脈閉塞。脳梗塞のリスクを高める。
大動脈瘤
大動脈は、心臓から出て全身に血液を送り出す最大の動脈。できる場所によって胸部大動脈瘤と腹部大動脈瘤がある。
大動脈解離
高血圧によって生じた動脈硬化が原因で、大動脈壁の内壁が裂ける死亡率の高い病気。突然激痛が胸部に起こる。背中の肩甲骨の間に痛みが生じることもある。
静脈血栓塞栓症
足の深い所にある静脈に血の塊ができ、その一部が血流に乗って肺に流れ、肺の血管を詰まらせる病気。長時間同じ姿勢を取り続けて発症する。別名、エコノミークラス症候群あるいはロングフライト血栓症。
予防法
血管年齢を若く保つことは誰にでもできます。ひとつでも今日から始めてみてください。
1.食生活の改善
魚を食べましょう
血管年齢を若返らせるためには、やはり肉より「魚」をおすすめします。魚は、血管をはじめ、身体を若く保つことに必要な良質なタンパク質を豊富に含み、動脈硬化の原因となる血液中の悪いコレステロールや中性脂肪を減らしてくれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA (エイコサペンタエン酸)も含んでいます。DHAやEPAは、血中の凝固を防ぐ働きもあるので、心筋梗塞や脳卒中の予防にもなります。特に「青魚」と言われるアジ、サバ、イワシ、マグロ、サンマなどにはDHAやEPAが豊富です。1日1回、お魚メニューで、血管年齢を若返らせましょう。
大豆・大豆製品を食べましょう
大豆には、イソフラボンという成分が含まれています。イソフラボンは、女性ホルモンに似た働きをすることから、特に更年期以降の女性の動脈硬化を予防する効果が期待できます。また、納豆には、ネバネバ成分であるナットウキナーゼが含まれており、この成分が血液をサラサラにし、心筋梗塞や脳卒中を予防してくれます。
食物繊維を意識して取りましょう
玄米、海藻、きのこ、野菜、大豆などが、食物繊維を多く含みます。食物繊維には、コレステロールが小腸から吸収されるのを抑える働きと、腸管での糖質の吸収を抑える働きがあり、これが動脈硬化を防いでくれるのです。
また、食事を取るときは野菜から食べるようにすると、野菜に含まれる食物繊維が、糖質の吸収をゆるやかにし、血糖値が急上昇しなくなります。さらに、満腹感を得やすく、食べ過ぎを防ぎ、中性脂肪値やコレステロール値の改善も望めます。
塩分摂取を抑えましょう
塩分の摂り過ぎは、動脈硬化を進行させる原因である「高血圧」を招き、血管を一挙に老化させます。漬物、梅干し、明太子などの塩蔵品を控える、ラーメンやうどんの汁を残す。だしの味を活かし塩分を抑えるなどで、高血圧を防ぐことが大切です。
2.運動を日常生活に取り入れる
毎日5分、できれば10分続けよう!
適度な運動は全身の血行の流れを良くし、血管年齢を若返らせるのに役立ちます。運動の効果は、1日半~2日間ほどなので、まず毎日5分、できれば10分続けることを目標にしましょう。NHKのラジオ体操を取り入れるのも良いですし、朝起きたときや寝る前にゆっくりストレッチをする、また何かにしっかりつかまって、かかとを上げ下げしたり、ももを上げ下げするのも良いでしょう。スクワットができる方はスクワットを。下半身を鍛えると、体温が上がり、免疫力がアップします。
有酸素運動をしよう!
有酸素運動は、運動の効果に加え、ゆっくりと長く体を動かし続けることで、脂肪や糖を効率よく消費することができます。水泳、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、社交ダンスなど。ウォーキングは、普段より少し大股で、
食後30分~1時間以内に歩くと血糖値予防になります。ただ、早朝のウォーキングやジョギングは、交感神経が急に優位になるので、血圧が上昇し、血管に負担をかけてしまいます。その結果、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めてしまので、止めておきましょう。
*運動は体調に合わせて無理のない範囲で行ってください。
3.ストレス・コントロールを覚える
人間関係や仕事上のことなど、ストレスを抱えずに生きることは不可能です。しかし血管が老化している、血圧が高い場合は、このストレスが狭心症や心筋梗塞につながることがあります。 真面目で完璧主義、競争心が強い性格の人は、血圧も上がりやすく、動脈硬化になりやすいと言われています。最近笑わなくなった、夜目が覚めるともう眠れない、酒の量が増えたなど、思い当たることがある場合は、ストレスが強くかかっていることが考えられます。他人に悩みを聞いてもらう、趣味を持つなど、考え方を変えるきっかけを探し、血管にやさしい生活を送ってください。
そのほか、喫煙が最も血管に良くないことは、周知の事実です。動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳内出血、各種のガンの発症率を高め、外見も老化させます。禁煙こそ、血管年齢の急激な老化をストップさせる重要な条件です。