腫瘍マーカー検査メニュー
腫瘍マーカーとは
人間の体内に腫瘍ができてしまうと、血液や尿に含まれるタンパクやホルモン、酵素などが急激に増えたり、健康な体内にはなかった物質が急に存在したりすることがあります。それを「腫瘍マーカー」と呼び、その物質の種類や量により、どのような腫瘍が体内に存在するかを知ることができます。
検査時間 | 10~15分程度 |
---|---|
検査期間 | 結果が出るまで1週間から10日程度 |
検査による副作用等 | まれに穿刺部分に内出血などがおきる場合があります |
初診当日の検査 | 可 能 |
入院の必要性 | な し |
麻 酔 | な し |
検査対象について
がんリスク検査が陽性であった場合や、以前検査を受け、経過を確認したい時などにご利用ください。
検査項目
1.PSA
唯一腫瘍マーカーの中でも早期発見に利用されている検査です。異常値が出たら前立腺がんを疑います。ただ、前立腺肥大症や前立腺炎などでも異常値が現れますので、時間の経過に伴う数値の増減幅を調べていきます。
推奨される診療科・・・泌尿器科
2.CA125
異常値が出たら子宮がんや卵巣がんを疑います。
ただ、肝胆膵や消化器がん、肺がんなどでも異常値が現れることがあります。
推奨される診療科・・・婦人科、消化器外科、総合診療科
3.CA19-9
早期がんで陽性が出る可能性は低いですが、肝胆膵、消化器のがんに特異性を示します。
肺がんや子宮がん、卵巣がん、肝胆膵の良性弛緩などでも異常値が現れることがあります。
推奨される診療科・・・消化器外科、外科、総合診療科
4.CA15-3
異常値が出たら乳がんを疑います。原発性でも転移性でも陽性を示します。
ただ、肺がんや膵がん、胃がんや子宮がんでも異常値が現れることがあり、また乳腺や子宮において良性の疾患がある場合でも同様です。
推奨される診療科・・・乳腺科、外科、総合診療科
5.CA72-4
異常値が出たら卵巣がんを疑います。また、消化器のがんや乳がんでも陽性を示します。
ただ、単独ではなく、他と併用して検査される場合が多く、良性の疾患などには陽性を示さない場合が多いです。
推奨される診療科・・・婦人科、消化器外科、外科、総合診療科
6.CEA
異常値が出たら消化器系のがんを疑います。また、肺がんや卵巣がん、乳がんでも陽性を示します。
ただ、糖尿病や肝硬変、喫煙などでも異常値が出る場合もあります。
推奨される診療科・・・消化器外科、外科、総合診療科
7.AFP(α-フェトプロテイン)
異常値が出たら肝臓がんを疑います。ただ、肝炎や肝硬変にも陽性を示す場合があります。
また、妊娠後期の女性において異常値が出る場合があります。
推奨される診療科・・・消化器外科、外科、総合診療科
8.SCC
異常値が出たら肺がん、子宮頸がんや消化器系のがんや管腔構造の粘膜、外陰部などの上皮がんを疑います。ただ、アトピー性皮膚炎や気管支炎などの場合でも異常値が現れることがあります。
推奨される診療科・・・外科、婦人科、総合診療科
9.フェリチン
異常値が出たら白血病や骨髄腫を疑います。造血系の腫瘍において陽性を示し、逆に値が低いと鉄欠乏性貧血が疑われます。また、肝臓がんや膵臓、大腸がんでも異常値が出る場合があります。
推奨される診療科・・・内科、血液内科、総合診療科
10.シフラ
異常値が出たら肺がんを疑います。小細胞がんではない上皮性腫瘍で陽性を示し、特に扁平上皮がんに対しての特異性が強いです。また、乳がんや卵巣がんにおいても異常値が現れることがあります。
推奨される診療科・・外科、呼吸器外科、総合診療科
11.TPA
特に何に対して特異性を示すということもなく、良性の疾患においても陽性を示すこともあります。
ただ、腫瘍の状態や量、進行具合により増減があるので、時間の経過とともに数値を見ていけば、
転移や再発を予測することができたり、治療の効果測定などの判断材料になります。
12.PIVKAⅡ
異常値が出たら肝臓がんを疑います。AFPという肝臓がんの腫瘍マーカーと併用し、精度を高めます。
その他肝硬変や慢性肝炎などでも陽性を示します。
また、ワーファリンなどの抗凝固剤やセフェム系の抗生物質を使用している場合にも異常値が出る場合があります。
推奨される診療科・・・外科、消化器外科、総合診療科
13.NSE
異常値が出たら、肺小細胞がん、神経芽細胞腫など神経細胞の異常を疑います。
また、肺の良性疾患や胃潰瘍においても陽性を示す場合があります。
推奨される診療科・・・呼吸器外科、総合診療科
検査の流れ
検査のみをご希望の場合は下記の流れになります。手術前検査などの一環として治療の際に行う一般採血検査につきましては、治療時にスタッフより改めまして治療の流れを説明させて頂きます。
予約
1お電話(092-753-6753)、もしくはホームページ内の「診療予約受付」より予約をお願いします。
メールでのご相談も可能です。ご希望日時、ご希望の検査内容、お悩みや不安に感じていること、疑問点などをお気軽にお問い合わせください。
当日検査をご希望の方は、予約時にその旨をお伝えください。受付
2受付にお名前を伝え下さい。保険証もしくは、身分証明書・お薬手帳をご提出いただき、問診票の記入をお願いします。
記入方法や不明な点がございましたら受付までお尋ねください。お薬手帳は今までの処方内容を確認させて頂きます。診察
3担当の医師が診察を行います。症状や不安に思っていること、お悩みの内容を医師にお伝えください。診察後、担当看護師より検査内容、検査方法、検査の結果の時期、料金等の説明をいたします。
診療当日ではなく後日に点滴をご希望の方は、受付またはお電話にて次回通院日をご予約ください。
当日実施可能な方は検査への流れになります。検査
4ご予約の方はお時間に来院ください。当日の体調などを確認させて頂き、問題がなければ同意書にサインを頂きます。
準備が整いましたら検査(採血)を行います。
検査中、看護師よりお声がけをさせて頂きますが痛み、違和感、気分不良などがございましたらお気軽にお声掛けください。
腕から約14ml採血いたします。
※検査時間は内容によって異なります。検査後
5当日の注意事項や自己処置などの説明をいたします。
検査によるふらつきや気分不良などがある場合は休める場所がございますのでお気軽にお声掛けください。不明な点やご質問がございましたら遠慮なくお申し付けください。
説明が終わりましたら検査結果が出る日程をお伝えしますので予約をお取りください。検査結果
6検査後、約1週間後から10日ほどで結果が出ます。
検査結果は直接ご本人にお伝えいたします。お電話等での検査結果のお伝えは致しかねますのでご了承ください。
検査結果について内服や治療が必要な場合、医師より治療内容の説明もしくは専門機関をご紹介いたします。
料金
当院の腫瘍マーカー検査は、保険外診療(自由診療)となりますので、費用はすべて自己負担となります。
初診料 | ¥3,300 |
---|---|
再診料 | ¥770 |
健康保険証 | 健康保険証もしくは、身元確認のため身分証明書の提示をお願いしています。 |
混合診療 | その他の治療や保険との併用はできません。 |
疾患名 | 腫瘍マーカー | 料金 |
---|---|---|
子宮がん | CEA SCC CA125 | 各¥2,530 |
卵巣がん | CA125 CA72-4 CEA CA19-9 | |
前立腺がん | PSA PSAタンデム | |
乳がん | CA15-3 CEA | |
肺がん | CEA SCC シフラ NSE | |
胃がん | CEA CA19-9 AFP | |
大腸がん | CEA CA19-9 | |
すい臓がん | CA19-9 CEA | |
肝臓がん | AFP PIVKAⅡ | |
胆のうがん | CA19-9 CEA | |
胆管がん | CA19-9 CEA | |
食道がん | SCC |
関連する治療
当院でのがん腫瘍マーカー検査は、基本的にがんリスクスクリーニング検査において数値の異常が出た場合に推奨しております。
治療名 | 単価 | 料金 | 当日対応 |
---|---|---|---|
AIRSがんリスクスクリーニング検査 | ¥26,400 | ¥26,400 | 予約制 |
よくある質問
- Q検査は痛いもしくは苦しくないですか?
- 検査は単純に採血するだけです。注射の痛みが苦手な方は、塗る麻酔クリーム(別途料金)を使用し、痛みを軽減させることも可能です
- Q検査前に絶食など制限がありますか?
- 腫瘍マーカー検査では特に絶食の必要はありません。喫煙されている方は2週間ほど前から禁煙されることをお勧めしています。また、検査前48時間以内の飲酒は控えめにしてください。
- Q腫瘍マーカーの値が高いとがんの可能性が高いのでしょうか?
- 腫瘍マーカーの値が高いとしても必ずしもがんであるわけではありません。良性疾患で高値がみられることもありますので、他の検査を行い複合的に判断する必要があります。
- Q早期がんも解かりますか?
- ほとんどの腫瘍マーカーは早期がんでは異常がみられません。よって早期がんの検出には不向きです。 進行することで異常値として検出され、進行度と数値の上昇にある程度相関関係がみられることが多く、治療効果の判定などに利用されます。
- Q検査はどのように行いますか?
- 左右どちらかの腕から採血のみにて行います。
- Q検査結果はいつ出ますか?
- 1週間から10日程度で結果をお渡しできます。
- Q保険は適応ですか?
- この検査に関しては、適応外です。
- Q終了後、傷などはありますか?
- 針を刺した痕が残りますが数日で消えます。
- Q当日予約でできますか?
- お電話にてご確認ください。可能であれば、お時間をご案内いたします。
- Q所要時間はどれくらいですか?
- 30分程ですが予約状況によってはお待たせすることがあります。
- Q検査の結果、治療が必要な項目があった場合はどうなりますか?
- 診察を行い指導または、専門的な治療が必要と診断されれば、専門機関をご紹介いたします。
- Q定期的に行った方がいいですか?
- 1年周期での検査をお勧めします。
- Q採取量はどれぐらいですか?
- 最大で14mlほどです。検査内容によって少なくなる場合もございます。
- Q良い検査結果を求めるために日々の生活で留意することはありますか?
- 規則正しい生活と食生活、またストレスのない穏やかな時間を確保するなど注意頂くことが1番です。
がんのリスク
‘がん’は医療技術の進歩によって生存率も年々上昇傾向にはあるものの、すべてのがん種において上昇しているわけではなく、未だ不治の病と恐れられています。現在でもがんに罹患している患者数は増加傾向にあります。
下記の表は、死亡率が高いがん種を示しています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
男性 | 肺がん | 胃がん | 大腸がん | 肝臓がん | 膵臓がん |
女性 | 大腸がん | 肺がん | 胃がん | 膵臓がん | 乳房がん |
男女 | 肺がん | 大腸がん | 胃がん | 膵臓がん | 肝臓がん |
‘がん’の早期発見を目的としての検査はPSA検査のみです。それ以外は‘進行がん治療の効果測定’を目的として検査することには意義があります。数値が上がれば治療の効果がないことになりますし、逆に下がれば治療も効いているということです。
ただこの腫瘍マーカーの数値は‘参考値’です。異常値が出てしまったからといって、それで病気が確定したかのように思い込んでしまう方がいらっしゃいますが、それは間違いです。この数値は、あなたの運命を決定してしまうようなものではないということを理解した上で、検査をお受けになってください。