5月25~31日は脳卒中週間です。
成人の三大疾病のひとつであり、国民病とも呼ばれる脳卒中。
その名の通り突然(卒然)起こるのが特徴です。年間約30万人が新たに脳卒中を発症しており、2分に1人の割合で脳卒中の患者が増えていることになります。脳の機能が損なわれ、麻痺や障害が残ってしまうことが多い病気です。また、脳卒中は、一度発症すると再発する可能性が高い病気で、一度脳卒中を発症した人の4人に1人が、再び脳卒中を発症しています。
脳卒中は、脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の中の血管が破れる「脳出血」、脳の表面の血管が破れる「くも膜下出血」の3つに分かれます。
脳卒中の発症率は、脳梗塞が一番高く全体の約60%、次いで脳出血が約30%、くも膜下出血は約10%の割合となっています。
脳卒中の10年以内の累計再発率は、くも膜下出血が約70%と最も高く、脳出血約55%、脳梗塞約50%となっています。つまり、再発する人は、何度も再発を繰り返しているということになります。また、再発すればするほど、後遺症が重症化する傾向にあります。
もし、話しにくい・ろれつが回らない、顔の動きや表情に左右差が出る、片方の腕が上がらない・力が入らない、といった症状が突然でたら、迷わず救急車を呼んでください。
脳卒中は、早く治療するほど後遺症が残りにくく、改善の可能性も高くなります。後遺症となった場合は、早期にリハビリをすることが大切で、現在では、早ければ発症の翌日、遅くとも発症3日以内に始める病院が多くなっています。リハビリで後遺症が改善される期間は発症から半年と言われており、その後は後遺症が固定してしまうことが多くなります。
脳卒中は、高血圧や糖尿病、高コレステロール血症などの生活習慣病との関連性が指摘されていますので、日頃から生活スタイルや食事にも気を配るなど、脳卒中を発症しないよう予防を心がけましょう。