4月23日(火)、福岡市天神のエルガーラホールにて当院の院長が講演いたしました
「再生医療でリハビリは変わる!」~「維持」ではなく「回復」を目的にしたリハビリとは?~のセミナーは無事終了いたしました。
今回のセミナーは医療従事者向けということもあり、理学療法士やケアマネジャー、看護師、社会福祉士、薬剤師と様々な業種の方にご参加いただきました。
再生医療により、脳神経細胞が再生することが確認され、脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)の後遺症に対する医療は、「治らない」から「治す」医療へと変革を迎えてきており、それに伴いリハビリ在り方も、「維持」から「回復」を目指したものへと変わってきています。
これにより、これまでは慢性期に入るとあきらめるしかなかった後遺症治療に、新たな光が見えてきました。この事実を、まずは患者様の一番身近におられるケアマネジャーやソーシャルワーカーの方に知っていただくべく、セミナーは開催されました。
セミナーでは、脳卒中の現状や後遺症治療に期待されている再生医療について、当クリニックでおこなっているサイトカインカクテル療法の症例などを含め、有薗院長からお話いただきました。治療については初めて聞く方がほとんどだったようで、皆様メモを取られるなど真剣に聞いておられました。
また、リハビリについては、回復を目的としたリハビリを実践されている、脳梗塞リハビリ博多の理学療法士である米倉市郎氏より、リハビリの現状や必要性についてお話いただきました。今はまだ「回復」を目的としたリハビリをおこなっている施設は数少ないそうです。
セミナー後半では、実際に当院でサイトカインカクテル療法をお受けになられた患者様のリハビリに携わっておられた理学療法士の長谷川氏にもご登壇いただき、患者様の症状が改善していく様子についてお話いただきました。その中では、「リハビリだけでは、短期間でここまでの回復はしていないと思います」とのお言葉がありました。
その後のサイトカインカクテル療法の動画を用いた症例報告では、患者様が短期間で症状が改善された様子に、ご参加いただいた皆様が食い入るように見入っておられました。
症例動画の感想として米倉氏は、「リハビリだけでは短期間でこれだけの回復は難しい。再生医療に比べると、リハビリは回復に時間がかかり、さらに発症から年数が経過すると、リハビリだけでは回復が困難」と長谷川氏と意見を同じくされました。これに対し、有薗院長は「再生医療で再生した脳神経細胞には経路がないため、正しい動きを覚えさせるために適切なリハビリが不可欠である。再生医療とリハビリを併用することが望ましく、最も症状改善効果が見込めるのでは。」と締め括られました。
やはり今注目されているように「再生医療とリハビリ」には相乗効果があり改善の見込みは高くなるようです。
再生医療を活用した脳卒中の後遺症治療の研究が進み、リハビリの目的も変わってきている現在、脳卒中後遺症治療の選択肢は増えつつあります。しかし、患者様に携わる方々に知識がないと患者様の選択肢は広がらず、限られてしまいます。今回のセミナーでは患者様に携わる様々な業種の方に聞いていただくことができました。セミナー終了後も皆様積極的に意見交換をおこなっておられました。多くの医療従事者が再生医療について関心を持つことで、治療やリハビリについて患者様の選択肢が増えることを期待しております。
次回のセミナーは2020年春ごろを予定しております。