アメリカで薬の審査を行うFDA=食品医薬品局は、新型コロナウイルスに効果があるか臨床研究が進められている薬「レムデシビル」について、患者への使用に向けて迅速に手続きを進める方針を示しました。アメリカでは、近く、緊急使用が認められるという見解が強まっています。
「レムデシビル」は、エボラ出血熱の治療のために開発が進められてきた薬で、新型コロナウイルスの増殖を抑える効果が試験管で確認されたため、複数の臨床試験が世界で同時進行していました。29日にはアメリカのNIH=国立衛生研究所が、「新型コロナウイルスの患者への治療効果や安全性を調べる臨床試験の一部を分析した結果、患者の回復を早めることが確認された」と発表したため、注目が高まっています。
こうした中、レムデシビルについてFDAのスティーブン・ハーン局長は30日、通信社の取材に「どのような患者に投与するのが適切か見極めるために、試験結果全体を見たい」としたうえで、患者への使用に向けて「最速で動いている」と述べ、迅速に手続きを進める考えを明らかにしました。
また、NIHで新型コロナウイルス対策を率いるアンソニー・ファウチ博士も「薬がウイルスを阻害することが証明された。データは非常にクリアに、レムデシビルは回復時間を減らすということを示している」と解説し、30日のテレビ局のインタビューでは「手続きは早く進むだろう」と話ました。
トランプ大統領も29日、臨床試験の一部の分析結果について「とても前向きな動きだ」と話しており、アメリカでは、近く、緊急使用が認められるという見解が強まっています。
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