厚生労働省は、新型コロナウイルスの治療効果が期待されているインフルエンザの薬「アビガン」について、観察研究としての投与が2000人あまりに行われたことを明らかにしました。今後、投与を希望する医療機関に向けた注意事項を明確にし、発表しました。
インフルエンザの薬「アビガン」は、新型コロナウイルスの治療薬としては承認されていない薬ですが、「RNAウイルス」の増殖を抑える効果が期待されています。そのため、愛知県の藤田医科大学病院などの研究班を中心に、全国の医療機関で観察研究としての投与が行われています。
厚生労働省によりますと、4月26日の時点で、国内1100の医療機関で、2194人の患者に投与されたと発表されていますが、動物実験などで胎児の催奇形性など、副作用の可能性が指摘されているため、十分な安全管理対策が必要だともしています。
厚生労働省は医療機関に向けた注意事項をまとめました。
<アビガンを投与する際の注意事項>
・医師の管理下で、確実な服薬管理・残薬管理ができること
・医療機関の倫理委員会などで承認を得たうえで、観察研究に参加すること
・患者本人の同意を必ず得ること
・薬剤の適応外使用について、各医療機関で定められている通常必要な手続きを実施すること
・妊婦には投与せず、子どもを持つ可能性がある男女への投与も慎重な検討が必要
厚生労働省は、こうした研究のほか、製薬会社による治験の結果などで有効性が確認できれば、承認に向けた審査を進めたいとしており、「1日でも早く、国民の不安を解消できるよう、有効な治療薬の開発を加速していきたい」と示しています。
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