東京の国立国際医療研究センターは新型コロナウイルスの感染で、肺炎になった患者の治療に、エボラ出血熱の治療薬として開発が進められた抗ウイルス薬「レムデシビル」の臨床試験を、3月中にも始めると発表しました。
臨床試験は、アメリカの企業がエボラ出血熱の治療薬として開発を進めてきた抗ウイルス薬「レムデシビル」を新型コロナウイルスに感染し、肺炎か、酸素の吸入が必要な状態になった入院患者に対して、1日1回投与する計画です。
抗ウイルス薬「レムデシビル」は米国立衛生研究所で行った動物研究で、MERS(中東呼吸器症候群)コロナウイルス(MARS-CoV)の感染症に対して有効な結果を得たと公表されており、同研究者は、新型コロナウイルスに対する効果も期待できると考えています。
臨床試験は、新薬と偽薬(プラセボ)を医師も患者も分からない状態で投与し、投与から2週間後に、新薬と偽薬の投与を受けた患者を比較し、新薬の効果を判定します。臨床試験はアメリカと韓国、シンガポールの医療機関と共同で行い、合わせておよそ440人の患者を対象とする予定です。
国立国際医療研究センターは、日本でも早ければ3月中に臨床試験を開始したいとしています。中国ではすでに治験が進められており、2020年4月に結果が得られる予定となっています。
同研究センターの大曲医師は「新型コロナウイルスに対する標準的な治療を確立するため、1日でも早く、レムデシビルの検証を進めたい」と話しています。
※掲載内容は、デイクリニック天神の見解を述べるものではございません。