加藤勝信厚生労働相は2月22日夜の会見で、同日から新型インフルエンザ治療薬、
「アビガン」(一般名「ファビピラビル」)の患者への投与を開始したと発表しました。
また、アビガンの製造元である富士フイルム富山化学も、新型コロナウイルスの治療薬として国の承認を受けるため、
3月31日より6月末まで、新型コロナウイルスに感染した患者およそ100人を対象に、東京都内の病院で臨床試験を行い、
治療の効果や安全性を確認するということです。
「アビガン」は6年前、製薬会社の富士フイルム富山化学が開発した新型インフルエンザの治療薬です。
新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスのような「RNAウイルス」の増殖を抑える効果が期待されています。
ただし、動物実験で胎児への副作用が報告されており、妊娠中の女性には投与できません。
そのため、ほかの薬が効かない感染症が発生し、国が使用すると判断した場合のみ、投与が認められています。
中国ではすでに、新型コロナウイルスに感染した患者に投与する臨床試験が行われていました。
その結果、肺炎の症状などを改善させる効果が認められています。
日本では、3月から愛知県の藤田医科大学病院などで新型コロナウイルスに対して効果を調べる臨床研究が開始されています。
富士フイルム富山化学は臨床試験で、効果や安全性が確認されれば、
新型コロナウイルスの治療薬として国に承認申請を行う方針とのことです。
新型コロナウィルスに対してのワクチンや治療薬の開発には、最低でも数カ月はかかるため、
アビガンはその間の治療薬候補の一つとして注目されています。
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