アメリカの製薬会社「ギリアド・サイエンシズ」が開発したエボラ出血熱治療薬「レムデシビル」が新型コロナウイルスの治療薬の候補の1つとして注目されています。実用化を目指して国内の3つ医療機関で患者への投与を行う治験を、4月14日から開始したことが分かりました。
「レムデシビル」は、アメリカに本社のある「ギリアド・サイエンシズ」が、エボラ出血熱の治療薬として開発を進めてきた低分子化合物で、ウイルスの複製に関与するRNAポリメラーゼを阻害する作用があります。新型コロナウイルスの治療にも効果がある可能性が示されることから、すでに日本やアメリカなど各国の医師が、共同で実用化を目指した治験を開始しています。
ギリアド・サイエンシズでは、これまでの治験とは別に、新たに横浜市立市民病院など国内の3つの医療機関と連携し、レムデシビルの効果について、さらに多くのデータを集めるため、新型コロナウイルスの患者に薬の投与を行う治験を14日から開始したということです。
日本だけでなく、感染者数の特に多いアメリカやイタリアなど、合わせて4000人を対象に、重症や中程度などのグループに分けて薬の安全性や有効性を確認するための治験を開始します。日本ではまず、90人ほどの患者の参加を目指すということです。現在、世界中で複数の臨床試験が同時進行しており、同薬の有効性についての結果は中国では4月27日、アメリカは5月中に発表される予定となっています。
「ギリアド社」日本法人の代表である、雅之開発本部長は「来月中には、有効性に関するデータが一定程度得られる見込みだ。1日でも早く治療法の確立に結び付けられるよう治験を進めたい」と話しています。
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